Microtouch systems・タッチパネルiMac DV SE

以前から気になっていたiMacにマイクロタッチシステムズ社製タッチパネルを付加させるサービス、実際の窓口となるアーク株式会社に確認をさせていただいたところ、現在はiMac/350またはiMac DVのみ対応とのこと。iMacを同社へ発送、取り付け・ドライバのインストールをしてもらうという形で、所要日数は1週間程のようです。

同サービスはタッチセンサユニット、取付作業料を含め70,000円(取付け作業はアーク株式会社、所要日数は1週間程度)。ちょっと個人向けには敷き居が高いものの、限られたスペースでの運用や、誰にでも気軽に使ってもらうキオスク用途としては大変魅力的。予算が許せば、家庭内で誰もが使えるネットワーククライアントなど活用範囲も広そうです。

今回はiMac DV SEに同システムをインストール、使用したインプレッションと、事前に用意した検討項目につき考察を加えてみたいと思います(ご承知の通り、堅い内容では全くありません)。

見た目はほとんど変わりませんが・・・。

タッチセンサからのUSBケーブルが、本体USBポートへと接続されます。

ちょっと写り込みが激しいですが、こちらがタッチセンサコントローラー部。

付属するCD-ROMにはドライバとキャリブレーション等を行うコントロールパネルが。

MicroTouch USB TouchWare。キャリブレーションはカーソル位置の校正です。

画面は取付け前と比較してもほとんど画質に影響はありません。タッチセンサパネルがブラウン管の前に挟み込まれ、この面が光沢であることによる写り込みが少々強くなった模様。しかし指紋が付きにくく、当初予想した汚れについては安心できそうです(しかし定期的な画面の清掃をしないと、反応がもたつきが出てくるようです)。

 

単純なマウスとの比較

● 操作感

マウスを使いはじめて10年以上が経ちますが、画面と手との一体感はあくまで「慣れ」の範疇。ポインティングデバイスとして大変優れているマウスですが、「今の位置から目的の位置まではこの方向で距離はこれぐらい」という情報を伝える装置であり、タッチパネルとはやはり勝手が違います。

最近は2ボタン・ホイール付きのLogitech製マウスを常用していますが、タッチパネルとマウスでは行う作業が全く異なるといったのが第一印象。しかしアプリケーション、特にフォトレタッチソフトなどを使用するうちに、作業の中でも協調して使うことができそうだという感じを持つようになりました。

ちょっと手間取ったのがダブルクリック。同じ位置にてタップをする必要があるため、安定したダブルクリックをするためには手首を固定する必要があります。用途によってはファインダーメニューの表示を「ボタン」に切り替えることで解決できそうです。

またリサイズやクローズ、ウインドウシェードといったボタン類、スクロールバーの操作もちょっと厳しいサイズ。HTMLでキオスクをやる際には、スクロールバーが出ない画面サイズにて設計する必要がありそうです(慣れるとNewton/Palmライクで結構面白いのですが)。

● 操作姿勢(?)

タッチパネルでの操作姿勢はかなり制限を受けます。まず手の届く範囲であり、長時間使用するのであれば肘をつき、手先のみを動かすといった体勢が望まれます。しかし操作する者との距離以外は、かなりレイアウトフリーが実現できるのではないかと期待しています。(詳細は後程「本体の設置方法に関する考察」にて)。

寝た姿勢での操作ですが(なんの参考になるのかは不明ですが・・・)あまりに画面に近付き過ぎると、肘の動きが固定され思ったように操作できないという問題が。寝ていても仰向けであればこの点はほとんど問題とならないのですが、うつ伏せ、横向けで使用する時には注意が必要です。

● 利き手と反対の手による操作

通常マウスを利き手以外で使用すると、非常なストレスを感じます。もちろん慣れによりかなり改善されますが、タッチパネルではこの差が少ないように感じます。もちろんタブレットとして使用するという場合には利き手のようにはいきませんが、ボタンを押すというような操作では、利き手でないことを意識せずに使用できました。

例えば表計算、データベースのようにセル/フィールドを移動しながら数字を記入していくといったケースでは、右手をテンキーに置き、セル/フィールドの指定はタッチパネルといった利用方法も作業効率の向上に効果がありそうに感じます(簿記・会計の方は左手のテンキー入力も高速ですが)。

  

家庭向け用途での利用範囲

● フォトレタッチのタブレットとして

まずはフォトレタッチソフトでタブレット代わりとなるかを試してみましたが、Photoshop3.0(相変わらず・・・)ではやはり追従性に問題が。とはいえ精度が出ないということではなく、ドラッグスピードが速いとポインタが止まってしまうというもの。ゆっくりであればかなり面白く使えそうです。

なげなわツールでの範囲選択は大変スムーズ。指の位置によっては少々選択範囲が確認しづらい場合もありますが(コンパネにてカーソルと指のオフセット量を設定可能)、マウス操作に不馴れな人はもちろん、かなり使い込んでいる方でも魅力的なオプションとなりそうです(髪の毛を抜くというわけにはいきませんが・・・)。

フリーハンドやイラストレーターといったドローソフトでもマウス操作にくらべ滑らかな線を描くことができ(逆にエッジのあるようなラインは苦手か?)、用途によってはタブレット以上の表現力が得られるのでは。家庭向け用途として考えましたが、お遊びだけでなく、作品制作にも活用できるかもしれません。ポイントはゆったりとした筆運びにありそうです。

FreeHandでサークルを描き、それをタッチパネル、マウスでトレースしてみました。左がタッチパネル、右がマウス。どっちもダメと言われそうですが、タッチパネルは本日初使用という旨お含み置きを・・・。

● インターネットの共有ターミナルとして

Netscape 、IEともに使用してみましたが、ナビゲーションボタンや、リンクの張ってある文字列のクリックといった操作はかなり快適。画面を押し続けることでコンテクストメニューにも対応しています。

しかし画面のスクロールが結構難関で、ウィンドウ枠を掴んで動かしてしまうことがしばしば。ある程度ポインタのキャリブレーションで対処できたものの、画面解像度はやはり800×600が限界か?

IE4.5では動作が一部うまく行かず(リンク文字列での反応)、アプリケーションによっては動作に問題がある場合もありそうです。(5.0でも時折リンクのある文字列を選択するという動作になることがありました)

WEBブラウジングにおいて重要となる検索ですが、検索文字列の入力はやはりキーボードが必須。「キー排列」を使いテキストを入力してみたものの、やはり数文字が限度か。使いやすいソフトキーボードが求められます。

同様にメールクライアントとしてもタッチパネルだけでは難あり。閲覧は問題ありませんが、本文を書くためには現時点ではキーボードが欲しいところ。近い将来(夏?)Via Voiceの登場で、こうした状況が打開できれば・・・。

● AV機器リモートコントローラーとして

これにはソニーのCVA-1をUSB-シリアル変換で試してみたいと思いますが、OS8以降では少々動作に不安があったためどうなるか・・・。AV機器のコントロールは家族みんながなにかしらでPCを利用する上でのきっかけとして面白いと思うのですが。

確か先のSan Francisco Expoで、USB接続の赤外線コントロール機器が紹介されていたと思うのですが・・・。

● ゲームエクスペリエンスの向上(将棋?)

将棋がなかったため(AI将棋はどこに・・・)マージャンと花札にてテストをしてみましたが、これは結構お勧めかも。まさに直感的で、ちょうどカジノで見るポーカーゲーム的なものとなり、パソコンを使用しているというイメージがありませんでした。

しかし新規ゲームなどではやはりファインダー操作が必要となるため、タッチパネルの良さをアピールできるようなソフトウェアをバンドルしてもらえると面白いのですが・・・。

● ヴァーチャルリアリティー要素(?)の強いソフトへの応用

シーケンサー/ハードディスコレコーダーミキサー部など

MIDIGraphyのミキサー画面にて試してみましたが、厳密な操作はちょっと難しいものの、聞きながらバランスを取るといった用途には良さそうです。どちらかというとハードディスクレコーダー向けか?Play/Stop他のボタンがちょっと小さいのが難点。ReBirthなんかで試してみたいですね。(これも少々ツマミが小さいか?)

MIDI機器のUSB対応が進み、iMacなどでDTMをされている方も多いかと思いますが、いっそライブでMIDIのコントロールに使ってみるのもアリか?ビジュアル的にもクールかもしれません。

  

ビジネス向け用途での利用範囲

● 顧客用キオスクとして

ファイルメーカー


ウェブブラウザ(IE、Netscape)

操作感の部分で触れた通り、スクロールバーが必要なものは操作が困難かと思われます。以前試したOperaのフルスクリーンモードなどが向いていそうなのですが・・・(pierre designによるとMac版Operaももうすぐとのこと、楽しみです!)

ちょっと気になる部分としては、マウスでは対象オブジェクト上にカーソルが来た際、アクションを起こさせるマウスオーバーがありますが、タッチパネルの場合、常時画面に指をつけている訳ではないため、アクションが期待できそうなオブジェクトを直接クリックするという傾向にあります。このためマウスオーバーでアクションの内容確認の後クリックといったことができないため、見た目だけでそれがなんであるのかを分かるようにする必要がありそうです(文章が分かり難いですね)。

● スタッフ用端末として

漠然とした項目名ですが(笑)、コンピューターの導入においてその利用頻度は習熟に要する時間に比例します。逆をいうとある程度の頻度で使っていないと、操作を忘れてしまうということもあり、こうした場合マウスですら大きな障壁となります。

操作方法を意識せず、だれでも直感的に使えるといった意味で、タッチパネルの恩恵が得られることは、銀行のキャッシュディスペンサーを見ても明白。ただし画面上のインターフェースはかなり検討を要するようです。

ファイルメーカーで顧客検索といったことをイメージして項目を設定しましたが、こうした際にも検索用レイアウトを用意し、大きめのボタンを配置する、「画面上の○○に触れ、検索内容を選択して下さい」といった注釈を設けるといった配慮も必要か。

● 限られたスペースでの利用

最小設置面積は?(立った状態での使用感)

マウスでもプレゼン向けにSkyWalkerのような立ち姿勢での使用を前提とした機種が登場していますが、ケーブルと机という2つの要素から解放されるのはなかなか困難。机の上にPC本体、キーボード、マウス操作用スペースを確保するとなるとかなり大所帯(?)となり、展示会でもかなりの空間を必要とします。

タッチパネルでもキーボードを利用するのであれば、さほど通常の使用時と変わらないスペースが必要となりますが、用途を限定することで完全に本体だけで使用することができ、40cm×40cmの台があれば設置可能となります(ただしトップヘビーとなるため、しっかりとした台の固定が必要)。

キオスク以外でもライブステージ上でPCを使用するのであればお薦めできるかも。個人的には18"フロアタムのシェルにはめ込んでみたい・・・。キーボードもSG位ガタイがあれば載りそうです。(イナーキ氏、望月氏、いかがでしょう?)また製造業では工程管理において作業現場での端末入力、チェックに使えそうです。


キーボードに代わる文字入力方法は?

文章を業務の中で入力するのであれば、現状キーボードに勝るインプッドメソッドはありませんが、検索でふりがなの頭一文字を打つ、URLを入力するというのであれば、ソフトキーボードやボタンで対処可能。

データベース業務ならポップアップメニューやラジオボタンといったものを併用することで、かなり入力文字数の削減と効率的な検索が可能になるのでは。

数十字以上となるとやはりキーボードが欲しくなりますが、設置スペースを優先するのであれば、やはりある程度の用途限定が必要。しかし今後Via Voiceあたりが登場してくると、用途の幅が広がってくるかもしれません。

  

本体の設置方法に関する考察

● 卓上設置・着座位置での使用の必要性

これはまず「なにに使うか」が前提となりますが、タッチパネル自体は立ち姿勢、仰向け、あぐら、うつ伏せ他、様々な体勢で利用することができました。

これまでは何をするにも「まず椅子に座ってモニターに対峙する」といったプロセスが必要でしたが、「体をひねって」や「腕を伸ばせば」パソコンの操作に入れるというメリットがありました。

もちろんデスクワークの中でパソコンを利用するのであれば、着座位置で使用することのメリットが得られると思いますが(実は大変合理的なのかもしれません)、ラップトップを実現したノートパソコン以上にその利用場所は拡大されるように感じました。

● ディスプレイ方向は?(上向き・下向きもありでは?)

前述した「限られたスペースでの利用」という点でも、卓上設置・着座位置での使用といった制限から解放されるためのソリューションがタッチパネルでしたが、例えば整備工場で仰向け姿勢での作業中、パーツリストのデータベースを見たいというような、これまででは実現し得なかった用途にも応用できるのでは。

20年程前に登場したテーブル型ゲーム機では、机とモニタという2つの機能を併せ持つ(両方とも中途半端?)画期的なものですが、この上向きという画面が、同時に複数のユーザーによる操作が可能という新たな機能を付加させています。またジョイスティックというデバイスによる操作と画面の一体感を得るためにも、極めて合理的な画面方向と言えます(笑、あまり本気に読まないで下さい)。

現在の画面方向は何か意図した用途に向けてではなく、着座位置での使用を前提に設定されています。無論ブラウン管の形態もこれに大きな影響を与えていると思いますが、タッチパネルに限らず、今後主流になりそうな液晶モニターには、もう少しレイアウトフリーな製品の登場を望みます。(特にテレビモニタは!)

● 起立姿勢での使用感・指先のコントロール精度・持続性

起立姿勢はキオスクをイメージしてのものですが、ポインティングがメイン操作で、ドラッグやダブルクリック(タップ)などは少々厳しいようです。また手首をフリーの状態で長時間使用するとなると疲労が伴い、コントロール精度はもちろん、使用する気力が衰えてきます。一方腕がある程度固定できる状態(脇を締めるだけでも効果あり)であれば、かなり細かい操作を長時間することも可能なようです。

コントロール精度には、指先と目の位置、そして画面と指の接触状態が大きく影響します。展示会などでよく目にしますが、立ち姿勢で腰をすこしかがめ、垂直方向に画面が向いてい設置状況でのタッチパネルは非常に操作がしにくいものでした。タッチパネルは画面に指の腹をしっかり押し当てることで、カーソル移動の安定性を得ますので、画面に仰角をつける、画面が垂直方向である場合には視線の高さにモニターを上げるといった配慮が必要です。

● ディスプレイと使用者の距離→手の届く範囲(接近)

当初は「手が届かなければ使えないから」位の感覚でこの項目を考えましたが、細かい操作をする場合には指先と目との距離が非常に重要となります。画面との距離はおよそ30cm位とかなり近接しますので、モニター輝度を少々下げる必要があるかも・・・。

● TVなど他メディアとの共存

タッチパネルであることを考える際、適正な画面サイズが問われます。例えば100インチの大スクリーンをタッチパネルとして使うとなると、ダンスダンスレボリューション並みの動きが必要になるかもしれません。恐らく20"位までが利用する上では適正範囲かと・・・。

またテレビの場合、近接視聴といっても2m位となるため、現在家庭にあるテレビにタッチパネル機能を付加させることはナンセンスのように思います(ワイアレスのジョイスティックは付けて欲しい)。

● キーボードからの解放(用途限定)

どこまでスタンドアロン足り得るか

● ノートパソコンとの比較(使用感・設置スペース・設置レイアウト・インターフェース)

iMacのタッチパネルであることに焦点(USB・GUI・AirPort他)

  

指かスタイラスペンか?

結論からいうと、これまで試した範囲(割り箸、エンピツ、金属製エバンス、綿棒他)ではスタイラスペンの代わりとなるものはありませんでした(動作せず)。アナログ容量結合方式で本来指にのみ反応するとのことでしたが、唯一動作したものが水に浸し搾ってこよりにしたティッシュ(笑)。しかしこれが結構ばかにできず、筆タイプ(通電性の確保が必要な模様)の開発を検討中。

● ボタンの設計(サイズ、視認性)

スタイラスペンの利用が不可という前提で考えると、ボタンのサイズは32ピクセル四方以上が好ましいように思います。またボタンの設置密度が低い程、スムーズな操作が可能でした。WEBページではホットスポットの設定も肝になりそうです。

またタッチパネルでは常時画面に触れているということはなく、このためマウスオーバーが利用できず、ボタンの形態やデザイン、表記内容から、そのボタンの意味を伝える必要があります。「オレはボタンだぜ!押せるんだぜ!!」という主張が無いと、無視されてしまう危険性もあります(すでに大項目とは論点が懸け離れていますが・・・)。

● センシティビティー実現のためのスタイラスペン

ティッシュこよりペン(笑)で試しただけですが、カーソルの動きが確認できるということが、ユーザーサイドのセンシティビティーを向上させる上で重要なようです。指でもカーソルを上方にオフセットさせることで、カーソルの状況が確認できますが、画面位置によってはポイントできないといった問題も。またドラッグのように連続したでは、スタイラスペンでは滑らかさが低下するようです。

  

iMac DV SEを自宅に持ち帰り、家庭の中でどのように使えるかを検証してみました(ただのお遊びです)。

スペース的に限られ、しかも立ち姿勢となるキッチンは、タッチパネルiMacはうってつけ。電源は結構とりやすいため、AirMacを内蔵させて半ばワイアレス(?)環境とし、本日のレシピでも探してみるとか・・・?冷蔵庫もサーバとしては魅力的ですが、クライアントはやはりこちらか。

本棚にこれまでもコンピューターの設置を試したことがありましたが、マウス、キーボードの関係で断念。しかしメールマシンとするにはキーボードが必須なため、ノートPCの方がお薦めか?(熱もかなりこもります)

リビングのサイドテーブル。ちょっとした情報端末として、また利用者を選ばないインターフェースを実現するタッチパネルは、家族共有の場にはフィットします。しかしやはりキーボードが欲しいか?(もしくはViaVoiceのヘッドホンを下げておくとか)

暇にまかせてあちこち置いてみましたが、一番のお気に入りはこちら。

当然ベッドでしょう(笑)。キーボード・マウスの設置が困難な上、ノートパソコンでは姿勢が制限されますが、タッチパネルでは全く問題なし。ネットサーフィンをするもよし、DVDを見るもよしです(iSubもつないでみました)。難点はあまりに幅を取ることですが、これが一番「パーソナルコンピューター」に近い気がします。

上記の4ケースはいずれもマウス、キーボードレスでしたが、その場その場の用途で十分実用に耐えるものでした。使いやすいソフトキーボードがあれば、ネットでの検索くらいまではカバーできそうです。(Palmライクなものがあれば・・・)。

  

タッチパネルを取り付けたiMac DV SE、タッチパネルでどこまでマウス・キーボードレス足り得るか興味深いところでしたが、これまで行っていた作業を全てを任せるにはまだまだ課題も多い模様。

やはり問題となったのは文字入力。サードパーティー製ソフトキーボードはまだ試していませんが、「キー配列」での入力を試みました。

キー配列でローマ字入力。変換はスペースキーとなります。スタイラスペンが使えればそこそこ利用できるかもしれませんが、指での入力はかなり厳しいようです。

左がキーサイズで21ピクセル四方。指で押すのであれば、せめて中央の32ピクセル位欲しいところですが、当然画面スペースは犠牲に。(右で41ピクセル)

実質上キー配列で入力ができそうな文字数は十数文字といったところで、これは検索語入力位には使えるけれどメールは無理という範囲か。

マウスの代わりとしてみた場合でもいくつかの問題点が。まずは利用する姿勢により再キャリブレーションが必要ということ。マウスの場合こうした点は全く問題となりませんが(最近の丸マウスは持ち方による使いにくさがありますが)、ある程度シビアな位置出しをするためには、視点をできるだけ固定するか、その都度キャリブレーションをかけないと精神衛生上よろしくない場合も・・・。

これに加え小さなパーツ、すなわちスクロールバーやウィンドウ周りのボタン操作には慣れが必要です。また以前触れた通りダブルクリックを正確に行うのはなかなか難しく、トリプル、クワッドクリックのへたな鉄砲方式(?)にて対応しています。

しかしポインティングデバイスとしてはマウスにできることはほぼ実現しており、同時にタッチパネルならではの世界が得られます。タッチパネルがユーザーフレンドリーなデバイスであることは間違いなく、かなりPCを使い込んでいるという方にも、ちょっとした操作には便利に使えるものだと思います。また家族で使う場合には、直感的な操作がパソコン利用の敷居を下げてくれるのではないでしょうか。

まだまだ使いはじめたばかりで、結論をお知らせする段階ではありませんが、パーソナルユースに限ってはタッチパネルのみで完結するといったものではない様です。今回タッチパネルを試してみて、全く一人で使う場合でも、実はあまりに多様なことをPCに求め、様々な作業をさせていることに気が付きました(何か高度な作業をしている訳ではありません)。

タッチパネルとスタイラスペンという構成のPalm他PDA、ジョイスティックというアプローチのゲームマシン、テンキーとジョグダイアルを持つ携帯電話など、ポストPC機器では使い勝手、スペースユーティリティーといった観点からキーボード、マウスからの脱却が試みられていますが、作業内容、ユーザーインターフェース、入力デバイスの三者をどこでバランスさせるかが、PCにおけるタッチパネル利用の際にも肝となりそうです。(とはいえ展示会やキオスクだけでは勿体無い!)

結局は現在キーボード、マウスともに接続した状態で使用していますが、それでもマウスの使用頻度はかなり減っています。コストとしては組み込みでプラス7万円、組み込み済みのものでも5万円というエクストラが必要ですが、個人的な感想では「高くない」のでは。しかしこの手のものこそ使ってみないと良さも悪さも判断できませんので、店頭での展示・デモを期待します(専用WEBブラウザをMozillaベースで作ってほしい・・・)。

  

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