MACWORLD Expo San Francisco 2000

アンケート結果報告

先に行いましたMACWORLD Expo便乗(?)プレゼント&アンケート企画に222名様という多数のご応募をいただき、ありがとうございました!

ようやくアンケートの集計が終わりましたので、結果のレポートをお知らせいたします。

  


現在のインターネット接続環境(個人用)は?
パソコン内蔵のモデム(〜56K)

51

23.0%

外部モデムダイアルアップ(〜56K)

34

15.3%

ISDN(64K〜128K)

113

50.9%

CN、ODN、xDSL(128K〜512K)

6

2.7%

ケーブルモデム(512K〜)

14

6.3%

衛星(MegaWaveなど)

0

0.0%

その他(携帯・PHSなど)

4

1.8%

  

接続環境はパソコン内蔵のモデムを利用している方が23.0%、外部モデムをお使いの方が15.3%と、アナログ通信が38.3%となりました。一方デジタル通信ではISDNが意外にも最も多い50.9%で、ISDNの急速な拡大を裏付ける結果となりました。選択肢の中の衛星(MegaWave他)は現在マッキントッシュがサポートされていないこともあり、利用者はゼロ。東京めたりっくなど、xDSL(digital subscriber line)方式の接続サービスもスタートしたばかりで、同様の接続サービスもまだまだ利用者は少数のようです。

  



家庭内でインターネットに接続しているのは?
自分だけ

128

57.7%

複数

94

42.3%

  

利用者として「自分だけ」、「複数」と設定した項目では、自分だけが57.7%、複数が42.3%という結果が。インターネットがマニアのみのものという「個人」の時代から、インターネットに接続可能な「家庭」というフェーズに進行していることを伺わせます。

  


現在インターネットに対する不満は?(複数選択可)
通信速度

146

65.8%

通信料金

170

76.6%

見たい・知りたいものが無い

3

1.4%

見たい・知りたい物が見つからない

8

3.6%

特に思い当たらない

12

5.4%

各項目の回答数を回答者数で割りパーセント表示しています。

  

アンケート同項目の選択肢としては、「通信速度」、「通信料金」、「見たい・知りたいものが無い」、「見たい・知りたい物が見つからない」、「特に思い当たらない」の5設問を用意し、複数選択とさせていただきましが、この中で不満が集中したのは通信速度と通信料金。通信速度に関しては65.8%、通信料金では76.6%の方がそれぞれに対し不満を持っているという結果となりました。

当アンケートでは、89.2%の方がプライベートでのインターネット利用においてダイアルアップ接続を行っているとの結果が得られました。近年インターネットサービスプロバイダーではサービスの低価格化、固定制料金の導入を行う業者が増え、直接プロバイダーに対する不満はほとんどありませんでした。しかし通信料金のもう一つのコスト、電話料金に関しては多くの方が不満を持っているようです。

  

テレホーダイに関する不満

テレホーダーイはNTTが提供する平日の午後11時〜翌朝8時までの間、特定の電話番号への電話料金を固定制とするサービス。私も以前より加入し、かなり電話料金を抑えることができましたが、ここで問題となるのがサービス利用可能時間。インターネット接続時間が長い方はどうしてもこの時間帯に偏りがちとなり、インターネット利用可能時間帯の制限という不満が現れてきます。

次にトラフィックの混雑も大多数の方が指摘をされています。これまでアクセスポイントに繋がらないといったプロバイダに起因する問題はありましたが、インターネット利用者人口の爆発的な増加により、人気サイトがテレホーダイ時間帯になるとアクセス困難になるといったクレームも出てきました。

同不満に対する希望としてはテレホーダイ時間帯の拡大・終日の適用を、コスト、トラフィックの時間的分散望む声が多いようでした。利用者の生活環境によりますが、お勤めをされている方では昼間は同サービスの利用が不可のため、7時位からのスタートであれば、こうした要望に応えられるのでは。反対にお昼のみ接続を希望される方には、エリアプラスといったサービスの拡充が求められそうです。

  


通信速度はどのくらい必要であると思いますか?
モデムダイアルアップ(〜56K)

18

8.1%

ISDN(64K〜128K)

44

19.8%

OCN、ODN、xDSL(128K〜512K)

43

19.4%

ケーブルモデム(512K〜)

117

52.7%

  

信料金はどのくらいが適正であると思いますか?
無料

15

6.8%

1,000円まで

20

9.0%

3,000円まで

99

44.6%

5,000円まで

44

19.8%

通信速度による

44

19.8%

  

ダイアルアップではテレホーダイに附随する不満が数多く見受けられましたが、それならいっそ低価格の専用線サービスを望む方も多いようです。金額的にはテレホーダイの時間枠拡大の延長から、同程度のコストを望む方、また通信速度によってはそれ以上の料金でもよいという方が多いようですが、希望する通信料金は3,000円〜5,000円がほとんど。

東京めたりっくなどが開始した高速な常時接続型サービスも、既存のサービスに比較し価格的には魅力があるものの、まだまだ試験段階で地域が限定されており、ケーブルネットワークを用いた接続サービスに関しては、やはり地域性と、サーバが置けない、コンテンツによっては視聴できないといった各種制限事項に不満が集まる結果となりました。

もちろんこうした問題は過渡的なものと考えられますが、いずれにしてもインフラストラクチャーについてはNTTに頼らざるを得ないという状況はしばらく変わらないように思います。ソフトバンク、東京電力、マイクロソフト出資による高速インターネット事業会社、「スピードネット株式会社」の設立など、こうした状況を打破する試みもされており、今後衛星通信(Mega Waveなど)や、水道、ガスといった既存インフラから派生するインターネット接続サービスが登場するのではないかと期待しています。

  


信速度が速くなったら、何をしてみたいか。

期待するコンテンツやサービスは?

動画配信

77

34.7%

動画鑑賞

149

67.1%

音楽配信

35

15.8%

音楽鑑賞

73

32.9%

ネットワークゲーム

48

21.6%

ソフトウェアダウンロード

72

32.4%

テレビ電話

93

41.9%

各項目の回答数を回答者数で割りパーセント表示しています。

  

低価格で高速な接続サービスは誰もが望むことですが、現実にそれを手にした時、一体何をしたいのか?現在インターネット上に存在するコンテンツはほとんどがテキストベース。画像、音楽、動画など表現方法も多様化してきましたが、現時点ではトラフィックスピードによる大きな制限があります。

この敷き居が無くなった時、どんなことが実現し、どんなサービスやコンテンツが求められるのか?簡単ではありますが「動画配信」、「動画鑑賞」、「音楽配信」、「音楽鑑賞」、「ネットワークゲーム」、「ソフトウェアダウンロード」、「テレビ電話」の7つを設問として用意、複数選択可とし、その他ご意見をいただく覧を設けました。

  

動画配信

第一印象として、動画配信に対する関心の高さに驚きました。34.7%とほぼ3人に一人の割合で、昨今のビデオカメラの普及、編集ハード・ソフトの低価格化が大きく影響しているものと思います。対して音楽配信は動画配信以上の結果が出ると予想したのですが、15.8%に留まりました。これは画像はカメラを持っていればまずはスタートできるという気軽さがあるのに対し、音楽の場合楽器の演奏、データ製作技術を要し、また著作権の問題もあるため、現在そうした活動をされている方にある程度限定された結果かと思われます。

一部業者がスタートさせているビデオストリーミングサーバサービスにも今後需要が増えてきそうな気配(お馴染みAnnies Craftでも、OS Xサーバ1.2到着次第スタートされるようですし)。コンシューマー向け動画配信サービス、単にスペースを貸すといったものから、オリジナルデータをアップロードすれば、結婚式や運動会などの定番ビデオに仕上げた上、親戚・友人一同にURLを告知してくれるなんてサービスも登場するかもしれません。(PlyaStation2のi-Linkあたりがクサいと思うのですが・・・)

  

動画鑑賞

アンケート同項目のトップは動画鑑賞。動画ソフトは地上波、衛星放送、ケーブルテレビ、セル・レンタルビデオ/LD/DVDと非常に選択肢が多く、「インターネットならでは」といったサービスが望まれます。好きな時間に好きな番組を見ることができるオンデマンドサービスは、衛星放送を中心に多チャンネル化として取り組まれてきましたが、インターネットでは検索サービスと映像データベースという形で実現されそうです。

またニュース映像であれば、専門用語やキーワードを画面表示させ、別ウィンドウに解説や、関連情報データへのリンクといったことも可能では(この辺は音楽関連ではすでに実現しているところもあるようです)。

またアンケートでは全国、世界のどこからでもJ-WAVEが聞ける、テレビが見れるといったアイデアもお寄せいただきました。地方に赴任した方が地元のラジオを聞く、海外に住む方が母国の放送を見ることができるといったことが実現されるのも遠いことではないかも知れません。過去衛星放送の黎明期ではスピルオーバーという問題が議論されたこともありましたが、インターネットではすでにこうした議論が過去のものであり、それをいかに利用していくかを考える時期にあるようです。

  

TV電話

動画鑑賞に次いで多かったものがTV電話でした。これも動画に附随するものですが、対象となるマスが大きいことから、今後拡がるのではないかと思われるサービスかと思います。例えば地図を画面に表示させ、待ち合わせ場所を決めたり、旅行の写真を見せ合ったり、次に買う服の品定めをしたりと、単に自分の姿を相手に見せるということではないサービスの拡がりを期待します(誰も私の顔や散乱した部屋を見たいとは思いませんので・・・)。

個人対個人というコミュニケーション方法であった電話に視覚を加えるということだけで、複数参加による意見交換も可能になりそうです。ネットカンファレンスとまではいかなくとも、ヴァーチャル井戸端会議といったものが現在のBBSやチャットに代わり登場してくるのでは。双方向というところでは、家庭の赤ちゃんやペットの様子を見たり、声をかけたいといったアイデアもお寄せいただきました(少年ジャンプ「こち亀」にもこんなアイデアがあったような・・・)。

  

その他アイデア

お仕事にからんだものとしてはDTP、WEBデザイナーの方からは「リアルタイム電子入稿、アウトプットサービスのオンライン化」というアイデア、販売店管理をされている方からはレジ・POSシステム直結の在庫管理システムが提案されました。これらを実現するため、高速通信と合わせ、常時接続・低価格(無料)ネットワークへの要望も大きいようです。


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