ネットワークとホームページ

ホームページの現状
ホームページ活用法
システム導入
使用器材とソフトウェア
院内ホームページの意義とメリット

ホームページの現状

インターネットの普及により、ホームページの認知度が大変高くなりました。プロバイダー契約を結び、ホームページをお持ちの歯科医師、技工士の方も多く見受けられます。ホームページを拝見すると、医院、ラボの紹介やホームページオーナーの趣味、技術・研究の発表と大変興味深いものが多くあります。

 これまではコンピューター愛好家のものといった感のあったインターネットも、パソコン価格や接続料金の低下、インターネット接続設定の簡略化などで、98〜99年にかけ、一気に利用者が増えてきました。

しかし趣味や娯楽としての活用がされても、一般の方が歯科の情報を積極的に得ようというところまではきていないようで、また接続スピードなどの制約から、コンテンツにもある程度の制限があることも事実です。

ホームページ活用法

インターネットの家庭への浸透は急速なスピードで進んでおり、近い将来、各世帯からアクセスが可能という環境が整うでしょう。そのための準備期間として、こうしたホームページ作成は大変意義のあることと思います。せっかく作成したホームページがあるのであれば、これを院内ホームページとして待合室や診療室に持ち込んでみてはいかがでしょうか。

インターネットは世界各地、企業、個人のサーバと呼ばれるコンピューターをネットワークで繋ぎ、コンピューター間で情報のやり取りを行っています。これを一台、若くは院内のコンピューターといった小規模なネットワーク内で行うのがこの企画です。(最近はやりのイントラネットに似たものの超簡易版です)近ごろは100Base-Tといった高速ネットワークもパソコンに標準採用されるようになり、スイッチングハブなど接続に必要となる周辺機器も低価格化してきています。ここではできるだけ費用を抑え、業者など外部にたよらずに構築できるシステムを検討したいと思います。

システム導入

インターネット視聴のためのブラウザーと呼ばれるソフトウェア(ネットスケープナビゲーターやマイクロソフト・インターネットエクスプローラー等)は、HTMLと呼ばれる言語を用いて記述された情報を、その命令により配置、表示するものですが、そのプログラム作成は作成補助ソフトの充実もあり大変簡単なものになりました。これを利用すれば患者さんへのプレゼンテーションがマウスのクリックだけで行え、また待合室等でも自由に情報を閲覧してもらえます。

学会や講演にパソコンを利用されている方は、マイクロソフトのパワーポイントといったプレゼンテーション用ソフトウェア利用者も多いと思われますが、順番に資料を表示していくスライド形式以外の物(リンクや画像、音声の差し込み等)を作成するのはかなり手間のかかる作業になります。インターネット関連(ホームページ作成)のソフトウェアには、フリーソフト、シェアウェアと呼ばれる無料、もしくは低価格で、高機能な物が数多くあり、小額の出費でブラウジングシステムを導入できます。

上の例はイーサーネットを用い、院内の各コンピューターを繋いだものです。通常はオフィスのマシンをサーバ、他のコンピューターをクライアントとしたHTML書類の共有が考えられるでしょう。通常サーバ機は専用機を用い、システムの安定を図りますが、ファイルサーバと使用するのであればマシンスペックが低くても問題ありません。

オフィスにあるコンピューターをWWWサーバとして用い、インターネットへOCNなどの専用線で接続すれば、インターネットへの情報発信がご自身のマシンで可能です。(この際はルーターが必要)また自宅や研究室からリモートアクセスにより、院内の情報を引き出したり、内容を更新するといった活用法もあります。

使用器材とソフトウェア

3か月に一度は新製品が出るといった各コンピューターメーカーの動きは、ますます早いサイクルになりそうです。とはいえ実際の用途に必ず新製品が必要とは言えません。新製品が出れば既存の物は価格が下がり、中古品となればよりリーズナブルになります。また新品の価格も年々下降し、モニタとセットで10万円を切るものも登場してきました。

平成11年10月現在、新品ウインドウズ機ではセレロン搭載機が8〜12万円前後、ペンティアム3を搭載したハイスペックのマシンでも13〜17万円位で販売されています。

マッキントッシュではiMacの登場以降、新品、中古ともに価格が低下し、G3/350MHz搭載のiMacが12万円位〜、G4マシンも20万円で新品が購入できるようになりました。

歯科医師の方が直接操作される場合はハイスペック機の使用も効率化には適当ですが、患者さんに自由に使ってもらうのであれば、使いやすく、価格的にも安価なものを用意することをお薦めします。

マシンスピードは速いに越したことはありませんが、ホームページ閲覧に限定すれば少し古いマシンでもOK。マシンを新調するかわりに、これまでのマシンを閲覧用に用いるのも有効な活用方法では。

OS、アプリケーションの高機能化とともに、ウインドウズ、マッキントッシュ機いずれの場合も64MB程度のメモリを必要とするようになってきました。インターネットエクスプローラーやネットスケープナビゲーターを用いたブラウジングを快適に行うためにも、64〜96MB程度のRAMを用意しておくことをお薦めします

。15インチモニターの一体型マシンなら操作のためのマウス(キーボードはセッティング時以外は必要ありません)を加えるだけでシステムができるため場所もとりません。またタッチパネルシステムを持ったものも登場し始めましたので、一層患者さんに扱いやすいものになりそうです。

 ネットワーク化する際は、画像等の転送スピードを考えイーサーネットによる接続がよいでしょう。10BASE-T、10Base-2、100Base-T等各種の方法がありますが、現在では10Base-Tが主流となっています。また100Base-TXもパソコンでの標準化とスイッチングハブの低価格化により、導入しやすくなっていますので、診療画像をファイルサーバに保存し、各クライアントマシンから閲覧するような使用方法をお考えであるならばお薦めできるのではないでしょうか。

イーサーネットケーブルはカテゴリー5に分類されるものを。将来的に100BASE-Tへ移行する際にもケーブルを引き直す必要がありません。

ハブは接続する台数に応じたポート数が必要です。(上図は8ポート)

 デジタルカメラによる臨床の撮影も多く行われるようになりました。そのカメラがコンピューターに接続可能であれば、これまでの画像データを再利用することができます。(医療用デジタルカメラの中には、特殊記録方式、記憶媒体を使用しているものもあります。ご注意下さい。)また最近は3万円程度で性能の良いスキャナーが発売されていますので、写真や図判の取り込みには重宝します。

デジタルカメラは接続が簡単なことも重要。最近ではメディアをアダプターを介してパソコンに繋げ、直接読み書きのできるものが増えています。

 HTMLの知識が深い方であれば、テキストエディターと画像加工用のソフトさえあればホームページの作成は可能です。しかし初めてホームページを作る方でもアドビ社ページミル等のソフトを使うことで、簡単に作成することができるようになりました。写真の加工も同社製フォトショップ等が有名ですが、画像解像度やフォーマットの変更、色調補正といったものであれば、シェアウェアの中にも優れたソフトが数多く存在します。(Graphic Converter/Thorsten Lemke等)

 作成したHTML文章を見るためには、ブラウザーと呼ばれるソフトが必要です。現在このページをNetscape Navigator、Internet Explorerなどでご覧いただいている方は、これらのソフトを使用して下さい。現在ではこの2つのソフトが主流となっており、操作方法も統一されつつあります。

院内ホームページの意義とメリット

これまでも歯科に関する情報を患者さんに伝えるためのものはポスター、チラシ、絵本、ビデオ等数多くありました。しかし内容が専門的過ぎたり、画一的であるがためにあまり効果的とはいえないようです。また金属床、ポーセレンといった年齢の高い層へのアピールにも欠けていることが多く、また歯科医師、衛生士の方が直接患者さんへ説明する時間もとりづらいのが現状です。

歯科医院独自の情報提供を行う。これが院内ホームページの最大の意義です。ワープロ等の印刷物では得にくい情報を分かりやすく患者さんに提供するために、コンピューターは多いに役立つものと思います。コンピューターという媒体自体から、お子さんにも興味をもって使ってもらうことができますし、チェアサイドでもブラウザを利用することで衛生士さんへの操作指導がほとんどいらず、すぐに導入が可能となります。情報の更新もHTMLの書き換えで済み、これまでに蓄積したテキストデータやデジタル画像が利用できます。

ホームページを作ってみようという方には、ホームページ作成の練習と視聴者の反応を見る良い機会となるはずです。積極的にホームページ制作をされている方にも、コンテンツの制限が多いに緩和されるというメリットがあります。例えば診療内容のムービーや、メッセージ等の音声情報は、インターネット上で扱うにはまだまだ通信速度や占有できるサーバ上のハードディスク容量から、意図したものより表現力を犠牲にせざるを得ません。しかし内蔵ハードディスクを用いればフルカラーによる高解像度写真や長時間のムービーといった大容量のデータもストレスなく表示することが可能です。

ビデオプロジェクターとの組み合わせで、学会、講演会といった場所で、そのままプレゼンテーションを行うことも可能です。コンテンツの引用、再構成が簡単に行えるというデジタルデータのメリットが活かせます。

このようにHTMLを用いたプレゼンテーションは、低コストで、応用の可能性が広く、またコンピューターの種類に左右されずに使える、フォーマットと言えます。須山歯研では今後歯科関連情報のHTML化とその利用を社内、外でも進めていきます。

ご質問、ご提案、ご要望などございましたら、ぜひお知らせ下さい。

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