ノートタイプパソコン評価のポイントは? |
ノートマシンはデスクトップマシンと比較し、利用環境、使用形態の違いから、求められる機能やデザインも異なります。移動を前提とすることによるサイズ/重量や、バッテリー駆動時間といった点、これらとトレードになるディスプレイサイズ、処理能力や各種機能。
ノートタイプも成熟が進む現在、ノートパソコンを評価する際の12項目を想定し、チェックポイントを複数回答にてお答えいただきました。
処理能力(CPU/GPU/Bus Speed他) 1413
66.8%
デザイン(形状/色など) 1278
60.4%
価格 1141
53.9%
モニタサイズ・解像度 1068
50.5%
本体重量 1058
50.0%
バッテリー駆動時間 965
45.6%
本体の丈夫さ 827
39.1%
本体の大きさ(設置面積) 766
36.2%
搭載する機能(I/Oポートや光学ドライブ) 723
34.2%
本体の厚み 403
19.1%
ハードディスク容量 316
14.9%
メンテナンス性 242
11.4%
複数回答可/総回答者数:2115
ノートマシンの評価ポイントトップとなったのは処理能力。ポータブルマシンであってもより速く、というのは当然の要求ですが、思った以上にそのプライオリティーは高い模様。新PowerBook G4シリーズでは、システムバスを見直し、足回りは固めたものの、CPUとなるモトローラ社PowerPC G4のクロック向上は足踏み状態。またアーキテクチャ上のボトルネックも残したままとなっているようです。
この処理能力に対する要求は、Pentiumマシンとの動作周波数上の比較もありますが、やはりOS Xへの移行が進み、ハードウェア要求スペックがかなり上昇していることも要因となっているようです。
OS 9に終止符を自ら打ち、またノートの年を宣言したアップルですが、デスクトップと合わせ、この処理能力への対応は避けられない課題。時期CPUとして候補に上がるPowerPC 970シリーズでは、かなりの動作周波数/性能向上が噂されていますが、OS Xのさらなるブラッシュアップとあわせ、6月のWWDC、7月のMacworld New Yorkにも注目が集まりそうです。
近年、省スペースデスクトップとして特に注目が集まるノートマシンですが、やはり複数の環境での利用が前提。トップとなった処理能力とは対極となるファクターではありますが、デザインに関しても選択基準として重要視されています。
デザインはアップルのお手のもの、といったイメージがありますが、現在のラインナップを見ると、その意見は二分されそうで、「やはりクール」、「他社とは違う」という声とともに、「どれも同じになってしまった」といった声や、「昔の方が良かった」というご意見もお寄せいただきました。
ノートパソコンというジャンルを確立したアップルにとって、デザインへの配慮も特別なものがありますが、デスクトップと比較し機能とデザインが直結するノートマシンは、コンポーネンツが画一化し、また小型化/薄型化もかなり限界に近付いている現在、どうしても各社マシンが似通ってくるのはいたしかたないところか?その中でアップルデザインと分かる製品をリリースできるのであれば、大きく評価すべき点かもしれません。
第三位にはやはり購入に際し頭を悩ませる「価格」がランクイン。製品の価格は処理能力や機能からくる絶対的な価格と、過去のマシンや他社製モデルとの比較による相対的な価格がありますが、前者についてはPowerBook G4 17インチの大型液晶初モノ価格として突出しているものの、コンポーネンツを足していくと、極端に高いものでは無いように感じます。
ポイントはやはり後者。アップルもノートマシンでは、フルファンクションマシンとなるiBookで、アップル製品としてはかなり抑えた価格設定を行っているものの、他社ノートと比べると割高感は否めないところ。しかし激安/高機能の二極化が進むデスクトップ市場と比較すると、ノートではまだ致命的な差は無いようで(笑)、ノートへのシフト戦略で単純に価格で比較可能な製品を打ち出すことができれば、switchの大きな原動力となりそうです。
モニタサイズ・解像度も第四位と上位に入りました。横長サイズのディスプレイはPowerBook G4 Titaniumから登場しましたが、このあたりからデスクトップと同等の作業領域をノートでも得られるようになり、デスクトップのサブマシンとしてではなく、メインマシンとしてのノート需要が高くなってきたように感じます。
モニタサイズは現在最大となる17インチモデルを擁するものの、画面解像度を見てみると、他社マシンと比較し、少々物足りなさを感じるのも事実。WYSIWYGを基本とし、若干のシュリンクはあるものの、あくまで作業における直感性を優先する故の設定とは思うものの、「使いたいのなら選択できる」といった選択肢があると大変ありがたいのですが・・・。
評価ポイントでトップになるかと思った本体重量は、モニタサイズ・解像度とほぼ同数の5位。個人的には以外な結果ながら、アップルユーザーの方にとり、B5/A5サブノートモバイルといった選択肢がなく、あくまでiBookやPowerBook G4 12"といった製品範囲内での検討となるところが、この結果の遠因か?
フルファンクションが必要か否かは別として、現在のアップルラインナップでは、なんとか許容範囲の重量というところでしょうか。とは言え、回答数が少ない訳では決してありません(笑)。
バッテリー駆動時間もノートならではの評価ポイント。利用スタイルが大きく影響するところですが、持ち運びに便利な小型ACアダプタのおかげか、これでは困るといった声は「アップルへ一言」欄でもあまり無かったようです。
非常電源装置付きデスクトップ(笑)といった感のあるマシンもありますが、電池を使った覚えがないのに、いつのまにか駆動時間が極端に短くなってしまうという問題も。電池自体の容量も、逆を返せば「ACアダプタを持ち歩かないと不安」といったレベルと言わざるを得ません。
現在開発が進められる燃料電池など、容量の追加可能な電池が登場すれば、動作時間の延長に加え、利用する環境もかなり拡がるのではと期待しています。また省電力を狙った機能限定サブノートあたりも面白いように思うのですが・・・。
第七位となった「本体の丈夫さ」ですが、iBookシリーズなどへの評価とともに、PowerBook G4 Titaniumや新PowerBookシリーズへの不安としても票が投じられているようです。第八位の「本体の大きさ(設置面積)」は、「モニタサイズ・解像度」と背反するファクターですが、両者の比較では拡大傾向を取るカレントを肯定するもののようです。
第九位「搭載する機能(I/Oポートや光学ドライブ)」はおよそ1/3の方がチェックされましたが、一時期に比べ、その重要性は低下した模様。デフォルトでUSB/FireWireが用意され、モニタ外部出力に対応。光学ドライブはむしろ「内蔵の必要なし」といった声も多いようです。
(Keita Suyama : Chief Editor / Yes! We're Suyama Dental Lab)
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