航空機開発からスタートしたコバルトクローム合金

1920年代、第一次世界大戦に飛行機が登場し、各国の航空機に対する関心が大きく高まりました。飛行機の性能向上と大型化、軽量化を目指し、軽量で強度、耐久性の高い金属の開発が進められましたが、高温に耐え変型せず、振動や加圧にも強い材料として注目されたのがコバルトクローム合金でした。

ジェットエンジンの開発においても、高温、高圧、高回転という過酷な条件を持つタービンブレードといった部品に、このコバルトクローム合金が使用され、航空機の発展に大きく貢献しています。

 

航空機産業、特にジェットエンジンの開発に大きな発展を与えたコバルトクローム合金。その強靱性に加え、酸や高熱に耐える性質は、医療用としても活躍の場を拡げてゆきます。

 

生体親和性の高さから医療用にも応用

当初は軍事用、産業用に開発されたコバルトクローム合金ですが、その強さとしなやかさを併せ持ち、化学的にも安定した物性は、医療用としても注目されるようになります。人工関節、人工骨といった大きな荷重のかかる部位で、コバルトクローム合金は力を発揮しました。

歯科では製作や調整の難しさから、クラウン/インレーといった技工物にはあまり適用されませんでしたが、床を薄くする上では理想的な素材でした。

歯に床を固定するためのバネ、「クラスプ」用の素材としても、適切な弾力性と高い耐久性を持ち、口全体に渡るような大型の床でも、正確な適合が得られるコバルトクリーム合金は、1970年頃から次第に金属床材料の代名詞として、広く用いられるようになりました。

 

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