バード電子33rpm

iBookファン企画、これまでヤッツケなグッズを試作していましたが、そろそろ各メーカーから製品が登場し始めています。これまで冷却系周辺機器を多数発表しているバード電子からもiBook左側のパームレスト専用クーラー「33rpm」が登場、早速テストを・・・。

バード電子製iBook左側パームレスト専用クーラー「33rpm」。電源供給はUSBからのDC5V。冷却用スタンドとの併用を前提に高さ調整のためファンがティルトし、送風方向が設定可能。

iBookへの設置は左手パームレスト側方の排熱ファン部に置き、高さを調整するというスタイル。エアのフローは吸気方向になります。

後方には電源スイッチが。音が気になる作業の時、ちょっと消すのに便利か。

まずは発熱の抑制効果確認を赤外線放射温度計を用いて測定。パームレスト・トラックパッド部を5×4.5cmに6分割し、表面・裏面の温度を計測してみました。

5×4.5cmに6分割し、温度分布と変化を測定(サーモグラフィーの代替ということで・・・)

使用した赤外線放射温度計は佐藤計量器製「SK-8700」。

下表パームレスト面の温度分布とその変化を計測した結果です。条件1はPixelCatにてスライドショーを待ち時間無しでループさせ20分後の値、条件2はスライドショーを回したまま「33rpm」を動作させ、温度変化が無くなった時点での計測値、条件3はファンを回したままスライドショーを終了させ、温度変化が無くなった時点での計測値です(と書くと厄介ですが、ファン無しの最高温度とファン動作時のアプリ稼動時・アイドル時の温度です)。

システムを立ち上げる前に測定した各部位の温度は27度でした。なお当測定では、木製机やスチール机など設置場所による温度変化を考え、5mm厚のスポンジ上にiBookを設置しています。下の表でファンは2-A部側方に設置し、1-A〜2Bがパームレスト部になります。

   

A

B

C

条件1

条件2

条件3

1

36度

33度

30度

35度

32度

31度

33度

32度

31度

条件1

条件2

条件3

2

38度

32度

30度

39度

35度

30度

32度

32度

31度

〜28度 / 29〜31度 / 32〜34度 / 35〜37度 / 38〜40度 / 41度〜 / 44度〜

  

条件1では不快感の境としてPowerBook Army飯嶋さんが指摘された「体温」とおおよそ同等もしくは上回る結果に。スライドショーを継続したままファンを回し、温度変化がなくなるところを見ると、手前中央部の35度が最高となり、パームレスト部では3〜6度の温度低下が確認できました。

面白いところではトラックパッド部の温度が変化していない点ですが、これはファンで左から右方向にフローを設定しているため、熱が拡散しているように思われ、1-C、2-Cでは一時的に条件1より温度が上がりました。

この時点でもiBookを使用するにあたり不快感は無くなっていますが、条件3となると30〜31度という結果に。

ご参考まで、以下は底面の温度分布です。

   

A

B

C

条件1

条件2

条件3

1

42度

36度

33度

45度

41度

40度

36度

41度

39度

条件1

条件2

条件3

2

41度

35度

33度

43度

41度

39度

35度

41度

39度

〜28度 / 29〜31度 / 32〜34度 / 35〜37度 / 38〜40度 / 41度〜43度 / 44度〜

底面にスポンジが置いてあるため、ある程度熱が停滞しやすい状態にあり、測定部位によっては温度上昇があったところも。しかし全体的には底面部に関しても冷却効果が表れており、冷却台と併用することでかなりの効果が期待できそうです。

  

簡単ではありますが、動作音についても測定を行いました。

防音室にiBookと「33rpm」をセット。およそ50cm上方にリオン社普通騒音計「S-16」を釣り下げて測定を行いました。

33rpm」の動作音圧を測定してみましたが、結果は38dB。非動作時が29dBでしたので、プラス9dBという結果に。ファンノイズはファンの回転数とピッチに大きく依存しますが、この値は好成績。いつもの作業環境はエアコンが回った状態でおよそ45dBですので、こうした環境下であれば音はさほど気にならないレベルでしょうか。

一方気になった点としてはサイズ。とはいえ手やI/Oポートとの干渉はなく、オフィスや自宅に置いて使用する上では問題なさそうです。もう一点はエアのパームレスト方向への漏れが若干あり、これが気になる・気にならないというところか。どちらも冷却用スタンドとの併用を実現する上でのトレードオフとなりますので、判断材料としては微妙なところか。

試用レポートは以上ですが、iBook発熱に悩むユーザーの方の検討資料になれば幸いです。

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