興味のある/評価するポイントは?

ファーストインプレッションに関しては70%の方から良い評価を得たJaguar。アンケートにお答えいただいた方が興味を持っている、評価をするポイントは?

 

 

Quartz Extreme

362

13.4%

Finder

359

13.3%

Rendezvous

320

11.8%

Windowsとの互換性

302

11.2%

Mail

291

10.8%

アドレスブック

237

8.8%

QuickTime 6

227

8.4%

iChat

219

8.1%

UNIXベース

203

7.5%

Sherlock 3

111

4.1%

Inkwell

48

1.8%

ユニバーサルアクセス

24

0.9%

総回答者数:931人/複数回答可とし、各項目の回答数と、回答数を総回答者数で割ったパーセンテージを、回答数の多い順で表にしました。

※上「可も無く不可も無く」項目は「まだ使って/聞いて無い・分からない」を含みます。

ここで選択肢としましたのは、アップルがJaguarの特徴として同社サイトに掲示した項目となっており、回答された方の情報も、実際使われた上での情報に加え、アップル社や他のメディアによるニュース/レビューといったものが考えられます。

実際の使用感からくる結果とは異なりますが、まず意外だったのが、各項目に大きな開きがない点でした。この時点で情報が少なく、日本語対応がされていないInkwellや、利用するユーザーが限られるユニバーサルアクセスを除き、かなり接近した得票となっています。

その中で僅差ながらトップとなったのが、Quartz Extreme。美しいグラフィックスや様々なエフェクトを特徴とするOS Xのアクアアピアランスですが、これまでではCPUパワーに依存せざるを得なかったこうした描画計算を可及的にグラフィックチップに担当させることで、描画スピードはもちろん、CPUの有効利用を可能にするQuartz Extreme。

これまでのOS Xでは、描画速度/ファインダー操作でモタつくという点が目につきましたが、Jaguarではかなり改善された感じが。別項にてそれ以外の評価点としてお答えをいただきました中で、トップとなった「スピードの向上」に大きく貢献しているようです。

第二位のFinderも、やはりコメントで寄せられたものはその動作スピードの改善。OS使用上の基礎となるディスクオペレーションは、使い勝手とともに軽快な動作が求められますが、スピードに関してはかなりの改善が認められた模様。

使い勝手の点ではフォルダナビゲーションに代わる方法としてスプリングロールが同様の機能を実現。これまではSherlockを通じて提供されてきた検索機能も、Finderウィンドウ内にて行えるようになり、シームレスな動作環境が与えられています。

一方項目5にてお聞きをしたリクエストに多く寄せられたラベル機能、ウィンドウシェイド機能については実装されず。後者はドックへの格納という方法が取られているものの、ラベルに関しては代替方法が現在のところシステム標準では無いため、今後期待したいところではあるのですが・・・。

第三位にはRendezvousが入りました。デジタルハブ構想を推進する上でも最も重要になると思われる各デジタル機器の接続を複雑な手順や手間を省き提供する同テクノロジー、接続や設定に慣れないという方から、様々な機器を使いこなすパワーユーザーまで恩恵を受けることができ、またこれまでは独立しがちであったiアプリケーションの連動をも促すものとして、大きな期待が集まりました。

現在いくつかの周辺機器メーカーがサポート意思を表示していますが、今後企画の標準化、サポートの拡大により、PC/機器/アプリケーションのシームレスな連係が実現することを期待しています。

少し意外であったのが第四位となったWindowsとの互換性。Macintosh利用環境としてスタンドアロンユースが主かと考えていたのですが、Jaguarでは自宅からの勤務先VPNネットワークへの接続といった利用形態も可能にとなり、ある意味住みわけられていたプライベートとビジネスのPC利用環境が融合するきっかけとなるかも知れません。またオフィスではもちろん、家庭内LANでもWindowsとMacintoshの混在環境において、ファイル共有などスムーズなコミュニケーションが可能となっています。

第五位はこれまでもOS Xの標準メーラーとして提供されてきたMail。迷惑メールフィルタ機能「Junk Mail」が用意され、現在電話と同様、コミュニケーションツールとして利用が進むメールの利用環境改善を図っています。またアドレスブックやiChatとの連係がなされ、さらに広いコミュニケーション手段としての利用が期待されます。

六位以降でもアドレスブックやQuickTime 6、iChatなどのトピックが並びますが、iChatあたりはやはり使ってみての面白さ、便利さがあるようで、現在ではさらに評価が高いのでは。順位としては下がりますが、UNIXベースという点も評価ポイントの一つ。Jaguarの特徴という訳ではないものの、ターミナルの日本語化/多言語対応といった点にも、その他項目にてご意見を多数いただきました。また順位としては最下位でありますが、利用者の割り合いを考えるとユニバーサルアクセスに対する評価も高いと思われます。

こうしてみていくと、アップルが提示したJaguarのメイントピック、ユーザーによりポイントは異なるものの、どれも幅広く評価されているようです。

メイントピック以外の評価点としては、前出の通りスピードの向上が挙げられ、Finder操作のスムーズさやアプリケーション利用時のキビキビした使用感といったご意見をお寄せいただきました。またOS X自体の起動スピードも向上したとのご意見も多数。個人的にはPowerBook G4やeMacで「遅くなったか?」と感じていましたが、マシンや環境によっても変化ありか?

Classic起動スピードも評価・関心の高いポイントの一つ。OS Xに移行といってもやはりまだメインアプリはClassicという方も多いのでは(私もですが・・・)。システム環境設定にてログイン時にClassicを起動の設定も可能ではありますが、「あっそうだ」とクラシックアプリを立ち上げ、しばらく待ちぼうけをくうというのも日常茶飯事(笑)。ファインダー操作が全く異なるため、OS Xと一体化することは不可ですが、Classicの起動スピード、安定性の向上は、その垣根を引き下げる上で大変重要になるのでは。

もう一点、iアプリシリーズに追加されたiCalも注目ポイント。アンケート実施期間中はまだ配付がされていませんでしたが、これまではサードパーティー製を利用していたスケジューラーが馴染みのインターフェースで使え、iPodとの連係やインターネットでの公開/共有など、幅広い活用ができるiCal、動作条件となるJaguar移行への追い風となるか?

Audio MIDI設定も回答が多かった点。音楽分野に強いと言われるMacintoshですが、OS X環境ではお世辞にも整備されたとは言えない状況。まずはシステム内で受け入れ体制を確立し、今後は先に買収を行ったEmagic社他、確保しているリソースをフル活用しての環境整備を期待します。

(Keita Suyama : Chief Editor / Yes! We're Suyama Dental Lab)


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